注意: 本記事は、旧製品CAN-USB Interface AP-CT2Aをご使用の方のためのものです。 後継製品であるEDGEPLANT CAN-USB Interface EP1-CH02AにはDIPスイッチはありませんので、本記事の内容は該当しません。 EP1-CH02Aでは、ACK返信有無はソフトウェアで設定します。 また、EP1-CH02AにはCANバス用の終端抵抗は内蔵されていないため、終端抵抗有無の設定はできません。
CAN-USB Interface AP-CT2Aは、接続するCANバスの構成に合わせて、CAN-USB InterfaceからのACK返信の有無と、CAN-USB Interface内での終端抵抗の有無をDIPスイッチにより設定することができます。本記事では、これらの設定をどのように選択すればよいかを解説します。
なお、CAN-USB Interfaceは、事前にお客様に記入いただいたヒアリングシートに沿った設定で出荷されます。記入いただいたヒアリングシートの内容もご確認ください。
CAN-USB InterfaceからのACK返信の有無
CAN-USB InterfaceからACKを返信する必要があるのは以下の2つの場合です。
- CAN-USB InterfaceからCANバスに書き込みを行う場合
- CANバス上にCAN-USB Interface AP-CT2A以外の機器が1台しか接続されていない場合
例として、車に既設のCANバスからCAN信号の取得のみを行う場合、CANバスには機器が複数接続されているため、CAN-USB InterfaceからのACK返信は不要です。一方で、CAN信号を出力する機器とCAN-USB Interfaceを直接繋ぐ場合、CANバス上に他の機器がないのであれば、ACKを返信する必要があります。
CAN-USB Interface内での終端抵抗の有無
CANバス内には、下の図のように120Ωの抵抗が2つ入るようにする必要があります。既に接続対象のCANバスにこのように終端抵抗が入っている場合、CAN-USB Interface内の終端抵抗は不要です。
接続対象のCANバスに終端抵抗が2つ入っているかどうか分からない場合は、全てのシステムの電源を落としてから、テスターでCAN-HとCAN-Lの線の間の抵抗を計測するのが最も簡単な確認方法です。抵抗値が60±10Ωであれば(120Ωが2つ並列のため)追加の抵抗は不要です。
テスターで抵抗値を計測する際、自動車の場合はエンジンを止めてからCAN信号が止まるまで5分前後かかる場合があるのでご注意ください。可能であればバッテリーを外して確実に電源を遮断してから計測することを推奨します(ただし、バッテリーを外すとカーナビ等の設定が失われる可能性があります)。
CAN-USB Interfaceの設定変更方法
ACKの有無や、終端抵抗の有無は、CAN-USB Interfaceの蓋を開けて、各チャンネルに対応するDIPスイッチで設定します。設定の仕方については、CAN-USB Interfaceのマニュアルを参照してください。
- CH1でACK送信を行う場合は、「CAN1TX」をオンにします。
- CH2でACK送信を行う場合は、「CAN2TX」をオンにします。
- CH1に終端抵抗を入れる場合は、CAN1の「TERM1」と「TERM2」を両方ともオンにします。
- CH2に終端抵抗を入れる場合は、CAN2の「TERM1」と「TERM2」を両方ともオンにします。